職業奉仕見学会
2月12日 水道橋宝生能楽堂にて職業奉仕見学会が開催されました。
米山奨学生のジョルデンさん、パートナー会ご有志を含む14名が参加され中々触れられない装束や能面を着用したり、実際の能舞台で使用する作り物(大道具)の制作現場を拝見しました。足袋に履き替え、能舞台の上で声を出し、型を演じる貴重な体験をすることもできました。
最後に宝生流第20代宗家宝生和英師よりお話をいただき、伝統芸能に触れることの意義、暮らしや仕事への活かし方を考える機会となりました。
見学会の後は案内いただいたシテ方宝生流能楽師の柏山聡子師もご一緒に神保町のフレンチで懇親を深め、充実した見学会の一日なりました。



宝生流は能楽においてシテ方(主人公)を担う流派(他、観世、金剛、喜多、金春)の一つで、観世流に次ぐ第二の規模の流派です。
古来より「観世舞、謡宝生」と言われるように謡に宝生流の独特の魅力があると言われております。近年の名人としては三川泉師、近藤乾之助師など。宝生流は観阿弥の子蓮阿弥を初代とし、第20代宗家宝生和英(ほうしょう・かずふさ)が現在の家元です。
江戸時代には加賀藩の庇護を受けたため当地では宝生流が盛んで「加賀宝生」などとも言われています。
現在の家元は30代半ばとお若く、他の古典芸能や現代芸術とのコラボレーション、コロナ渦中では舞台の配信など様々な新しい取組み、挑戦をされています。
今回ご案内いただいた柏山聡子師をはじめ女流の能楽師が多数在籍していることも特徴で、女流能楽師を中心とした演能もございます。
流派の能楽堂は今回訪問した水道橋にあります宝生能楽堂ですが、来年度以降建て替えが予定されており、現在の形の能楽堂を楽しめるのも残りわずかな時間となっております。
歴史と伝統を感じさせる空間を楽しみに、是非能楽堂に足をお運びいただければと思います。